θ=5 β=5

核P-MODELの1stアルバム、「ビストロン」のレコーディングが終了した。さて、1ヶ月ほどの休暇を取って・・・などと風流なことを言っている場合ではなく、この後にはライブの構築、亜種音TV、その他イロイロが手ぐすね引いて待っている。気分転換を兼ねて(なんと貧しい気分転換)「ビストロン」収録曲の外見をざっとさらってみることにしよう。

01:二重展望3 (インストゥルメンタル)

そう、「太陽系亞種音」に収録された、あの悪名高い二重展望の3作目である。1作2作は遙か昔。客を実験台にした拷問のような曲であったが、すでにネタバレ済の3作目においては、ぐっとエンターテイメント度がアップしている。曲の構造を理解していなくとも、ただ聴いていられる作りになっている。ただし、この曲で踊ろうなどと思うなかれ。つまずいて転倒する。

2小節で展開される1つの旋律が延々繰り返され、そこにビストロン・ドラムとアンチ・ビストロン・ドラムが交差する。繰り返される旋律は一切変化しないが、アンチ・ビストロン・ドラムが介入した途端、違う旋律に聴こえてしまう。アンチ・ビストロン・ドラムの影響力は強く、あなたが最初に聴いていた旋律を追いかけようとしても失敗するだろう。しばらくあなたは別の旋律を聴かされることになる。しかし、それは錯覚だ。旋律は変わっていない。そしてビストロン・ドラムの介入によって元の旋律が聴こえ始める。そしてまたアンチ・ビストロン・ドラムの介入と錯覚。両方のドラムが去った後、あなたは意志の力で元の旋律を掘り出すことができるだろうか・・・。

次回「Big Brother」に続く。