θ=5 β=5

ビストロン収録曲の外見-05

08:Space hook
「Layer Green」などに通じるタイプの曲。エコー処理された正弦波の無段階上昇音は古のSF映画では宇宙空間を表し、またはキチガイ博士の研究室でもよく耳にする。いわばサウンドFXの死語である。そこがまたオツなのである。それにしても亜種音からのメッセージには翻訳不可能な言葉がしばしば含まれる。サビの機能を兼ね備えたイントロの8小節間は、その意味不明の言葉のみで歌わざるを得なかった。間奏部は70年代の三流プログレファンが「スペース・シンフォニー」と主張して譲らないタイプのヘンテコなカオスがごり押しされる。

09:ビストロン
和風である。白色ノイズ成分を多く含んだ電子琴の反復に、「スケルトン・コースト公園」の民謡パートをエディットしたサンプルサウンドが絡む。気を許せば何を歌っているのか見失う程に、メロディーの譜割りにキッチリとはめ込まれた歌詞。一転してコブシの効いた歌唱は和風にも聞こえるし、コーラン風にも聞こえる。そこがまたオツなのである。サビは盛り上がらず、ふんだんに和風である。しかも曲を通してこのパートは一度しか登場しない。コブシパートの反復が終わると、琴のみがうら悲しくも雅な旋律で遠ざかってゆく。中程度のテンポ。

次回「アンチモネシア」へと続く。