θ=5 β=5

–賢者の旅–

雪の降る夜を選んだのは賢明である。誰もが”仕事”をめんどくさがるからな。輪をかけて賢明だったのは、自分自身に耳を傾けたことだ。あの愚か者が参照した”与えられたもの”には目もくれなかったことだ。その者は、知った事には従わず、知っていた事に従う。知った事は騒々しく、知っていた事は、知らなかったかのように寡黙だ。

闇よ、その者の旅を隠したまえ。そのような者こそ王の脅威なり。そのような者こそ無為の刺客なり。