「カトゥーイ」禁止令
θ=5 β=5
2005年5月24日から6月1日までタイに行ってきた。その間、多数の男性から女性に性転換した人々と接触し、個人情報を収集した。目的はまだ公表できないが、計画が首尾良く実行可能になったあかつきには公表しましょう。
私は今まで、彼女達を「カトゥーイ」という呼び方をしていた。それは多少軽蔑のニュアンスを含んだ言葉だと知っていたが、彼女達自身が「カトゥーイ」という言葉を使っていたことと、私にとってはかっこよい響きに聞こえたためだ。
今回、いくつかのタイ公的機関とも接触を持ち、彼女たちに関する話し合いをする機会を得た。その際私たちが提出した書類では「カトゥーイ」という表現を使わず、彼女たちのよりフォーマルな総称である「saopraphetson」(サオプラペーッソンのように発音する)または「pujinpraphetson」を使った。直訳すると「第二の女性」という意味だが、男でも女でも無い「第三の性」というニュアンスだそうだ。
バンコク在住のある日本人saopraphetsonは、この言葉は彼女たちにとって聞き心地の良い言葉だと、私に話してくれた。今回、付き合いの長い saopraphetsonの友人達とも面会したが、私がsaopraphetsonという表現をした後、彼女たちは二度とカトゥーイという言葉を使わず、同じくsaopraphetsonという表現をした。
気が付くのが遅かった。私は長い間、想像以上に不快な言葉で彼女たちを呼んでいたことを反省した。堪忍な。
今後、私、同行したsato-ken、現地ガイドのWaiは「カトゥーイ」という言葉は使わないと決めた。
しかし「saopraphetson」という言葉は長い。以後「SP-2」と略す場合もあろうかと思う。SPと2の間にハイフンを入れるのは「SP2」つまり、Windowsサービスパック2に関する情報を求めて私の文章にたどり着く気の毒な被害者を出さないようにするための配慮である。