θ=0 β=0
これはマトリックスでも1984でもない。
これは一人の悪キャラの指示によって数千人の無実の人が死んだという物語などではない。少数のエリートが惑星を恐怖によって手玉に取り、人々の思考を停止させたことから始まる物語だ。
ハイテクを駆使した虚構の悪キャラ映像。ハリウッドのショックを現実の建造物を使って上演し、惑星を支配する少数のエリート。細部は常にグロテスクなほど雑で、あちこちから舞台裏が見えていている。しかし、全ての家庭に装備された兵器=TVへの信仰が人々の目を塞いでくれる。それは地球を安心して殺戮が出来る惑星へと変えた。その威力は6年経ってもまだ賞味期限が来ないままだ。
真実を語る者は嘲笑され、時には消される。偽の歴史が配給され、記録される。大小さまざまな催し物は遥か昔から上演されてきた。そろそろ気付いてもいいはずだ、と思うのは甘い。TV、新聞、権威、恐怖、不安、常識が常に人々の脳を食い荒らしている。
新たなお膳立てが準備されているように見える。次の壮大な催しものが上演されるのだろうか。それとも、人々の中に巨大なショックの記憶が残存するうちは、ただ不安を与えれば事足りるのか。私には分からない。
さあ、今年も9月11日がやってきた。ショーはまだ続いている。