θ=5 β=5

5曲めは一風変わった出だしだ。トラック数は多くない。現在のところ28トラックが使用済み。60年代アストロ・サウンド風(一般的にはサーフ・サウンドという。どこが?)のエレキギターから始まる。使ったギターはモズライトだ。スプリング・リバーブのシミュレーターをびしょびしょに効かせたミュート奏法といえば60年代不良の血が騒ぐ?(60年代の不良はこんなとこ見てない)しかし、スプリングが思うようにハネてくれない。せめてAstronauts の Firewaterくらいハネてほしい(そんなの誰も知らない)。ハネを捏造しようとしたが失敗した。(こっから先専門用語有り。解説省略)しかたなしにスプリング・リバーブを更にデジタル・リバーブに突っ込み、プリ・デイレイでハネのニュアンスを作ってみた。私はほんの数小節のためにビンテージものの高価な機材を物色するほどマニアではない。どうせウソの上塗りだ。というか本物である必要などない。こんなもの本物にしたって喜ぶのは60年代の不良だけだ。これでよしとする。

60年代風エレキサウンドが始まるかと思いきや、そうは行かない。それを受け継ぐのはヒラサワの声だ。だがまだ歌ではない。一応あり得ない組み合わせは成功。

60年代風のイントロからそこはかとなく80年代ニューウエーブ風の無難なAメロを歌った後はオペラ風ソプラノへと展開。と、突如70年代硬派プログレ風の展開。なぜかこの部分ヒラサワの声がピーター・ハミル風味を帯びている。

パートごとに10年ワープする変な曲は間奏で60年代アストロサウンドへと帰還する。さて、90年代は出てこないのかというと出てこない。出て来ようがない。音楽の創造は80年代前半で終わっているからだ。あとはいいとこ取りの当て逃げばかり。

さて、30年のサイクルを1曲の中で行ったり来たりするこの曲、全体的な印象としては「わかりやすい」部類に入る。そいういう意味ではわけわからん曲。

(音楽用語をたくさん使ってしまって、しくじったと思っている)