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現地情報を元に、タイ国の夜の歓楽街を120％楽しんでいるふりをしながら、二流三流の店を渡り歩き、現地の三流GO GOガールやカフェーの「とんでも歌手」にインタビューして回るというのがヒラサワが企画するE級ナイト・ツアーである。まったく下らないショーを見ながら心から楽しんでいるふりをするのは、それなりに楽しいものである。はじめは苦痛だが、店を点々とするうちに異様な快感が訪れる。運が良ければ「人体陳列ショー」や「C級テクノ・モーラム」など超一流の最低に遭遇できるチャンスもあるのだ。いや、しかし、本日はE級ナイトツアーのレポートでもしようと思ったが、やるせない事件に遭遇してしまい、それどころでは無くなってしまった。我々が最低のツアーを繰り広げている最中にサイモン・ダンサーの座長であるディアオ・ダイ姉さんから連絡が入り、ダンサーの一人がパブで刺されたという。現時点での情報によれば、サイモン・ダンサーのボーイフレンドに以前から好意を持っていた老齢のカトゥーイが嫉妬のあまりダンサーと喧嘩になり、刺してしまったらしい。タイではしょっちゅう聞く話である。ナイフは首の横から刺さり反対側に抜ける前で止まったらしい。命は取り留めたものの、重体であるとのこと。我々もしばらくは馬鹿な遊びは控え、夜はおとなしくホテルで続報を待つことにしよう。