θ=4 β=6

<<<< Mama Tanに感謝 >>>>

「Magic Sync、そして赤の洪水」からの続きである。そしてこれもまた、「洪水」から始まった。しかし日付は一気に2006年6月12日に飛ぶ。つまり帰国後だ。亜種音TV Vol.10「The Kingdom of SP-2」の中でも、もったいぶって話してみたが、私あはある事のためにタイ国内で暗躍していたわけだ。しかし、どういう訳か、みるみる枝葉が広がり、ヒラサワにはまったく無縁の分野にまで波及してしまったようだ。私が「本題」のために暗躍する中、幹より枝葉が先に育つという奇妙な現象が起こり、不可避的にヒラサワの暗躍はそっち方面も刺激することとなった。ヒラサワは、憧れの「影の男」に徹したかったのだが、どうやらそっち方面の内部からヒラサワを引っ張り出そうという動きが芽生え始めている。できれば逃げ切りたいが、敵はどんどん先手を打ってくる。ここで全てを明かしてしまえば、暗躍ではなくなってしまう。しかし、「そっち方面」については「ついでの暗躍」でしかなく、まして「そっち方面」の人々がPhantom Notesを目撃する可能性は限りなく低いはず。「幹」はまだ明かせないが、「枝葉」のほうは明かしてもよかろうて。何故なら、ヒラサワの暗躍はSP-2 の格上げのためでもあり、またSP-2との親交を深める舞台となった土地が受けたダメージの治癒の加速のためでもあるからだ。そのSP-2の大ママである Mama Tanの格もここで一発上げたいというのも人情だ。ヒラサワごときの微力な芸人が「治癒の加速」などとは、まったくもって生意気である。しかし、現地人に聞く限りでは、外見や風評とは裏腹に内実的な治癒は進んでおらず、為す術もないのが実情のようである。そこでsato-kenは「枝葉」の成り行きを引き受け、一気に実現に向けて暴走する中、ヒラサワはほんのついでの暗躍という運びとなったわけだ。それが少なくとも「せーの」のかけ声程度の成果をもたらせば上出来だと思う次第である。

さて、もったいぶっても仕方がない。しかし、固有名詞を出せば検索にひっかかる可能性も有る。これはヒラサワのリスナーだけに明かす極秘のミッションだ(またもや大袈裟だな)。極力表現に工夫を凝らしてやってみよう。

その「枝葉の第一弾」(ということは第二弾も有るのか?イヤ、知らない!知らない!それは勝手に延びる枝葉任せだ。)は、あと数日後に某アジア国の南方地域で開催される国際的長距離走だ。長距離走であるにもかかわらず、そこには潜在的にSP-2が関与している。当然「幹」がそうなのだから「枝葉」もそこから逃れるわけにはいかないのである。長距離走の主役となる人物は既にSP-2に接し、その影響からイベントの特色付けを行い「ホスピタリティーの有る長距離競走」というイメージを得て内容を構築したのであった。さて、開催日をあと二週間後に控えたある日、長距離走関係者からヒラサワに再び暗躍の依頼が来ることになる。つまりこうだ。長距離走参加者が空港に到着する時、主役が出迎えるイベントが予定されている。日本からも複数のメディアが同行し、その場面の取材をする。今のプランはさみしい。だから、できるだけ豪華に、本イベントの特徴を生かした演出が欲しい。そこで”民族衣装的衣装”をまとったSP-2のダンスと共に迎えたいと。なんとかならないかと。なんとでもなるさ。しかし、どうしてそういう大事な事を先に決めておかないのさ?ヒラサワは早速暗躍を開始した。その地域最大のSP-2シアターと交渉を開始する。

交渉相手はリスナー諸君にはおなじみNengだ。彼は「チップも稼げないくそったれダンサーなんかやってられっか!」と言って舞台を降り、今はセールスマネージャーとして勤務している。5人のダンサーを派遣してもらえるか?そしてその料金は?と尋ねると。「Mama Tanに訊かないとわかんなーい」とNengは答える。オイオイ、セールスマネージャーともあろうものが、そんなことをいちいちオーナーに訊かないと回答出来ないのか?既に出張小規模パフォーマンスのパッケージも有り、既定料金も有るのに。と思うのが普通である。しかし、長年のNengとの付き合いから、彼が何故そう答えたのか察しが付く。つまり、タダか破格値で出そうとしているのだ。ちゃんと値段を出してくれよと伝え、連絡を待った。Mama Tanは出張中で回答はなかなか来ない。そして今日、Mama Tanからの回答が届いたのであった。Mama Tanの回答はこうだ。

要望通り5人のSP-2を派遣する。しかし、シアターとしては料金は要らない。ただし、その5人は日頃チップを稼ぐチャンスの少ない子たちで構成する。その子たちにそれぞれ1,000バーツ(約3,000円)のチップをあげて欲しい。

またやられた。NengとMama Tanにはやられっぱなしだ。きちんと恩返しをしなければ。さてと、これであの国際長距離走には前代未聞の奇妙なプロローグが用意されたわけだ。運が良ければ諸君も日本のTVなどでその様子を見ることが出来るかも知れない。めでたし。ところで、黒子のヒラサワなどひっぱり出すより、まずSP-2が先でしょ?何故なら、Mama Tan率いるあのSP-2の一軍が、津波の後いち早くシアターをオープンさせて人々を元気づけ、興業の売り上げを復興のために寄付したという、彼女らの気っ風から全ては始まったのだから。