θ=6 β=4

—-Phase-4

「ダーゴンファイよ」と同居人のEmiは言った。
さて、ここで一時彼女を知らないカトゥーイは居ないと言われた人物のエピソードだ。容姿人格共に良く出来たカトゥーイの話。多くのカトゥーイは彼女に憧れ、目標にした。彼女をオカマと知る男性も、知らない男性も彼女の美貌に惹かれた。彼女は日ごろから本業で得た収入の一部と、臨時収入の全てを貧しい子供たちのために使っていた。人には優しく、よく助け、嘘はつかず、謙虚で、そして美人だった。ある時、ちょっとしたイベントで得た大金を持って、一人バンコクからタイ北部へと10時間以上もバスに揺られて出かける。現地で施設を回り、大金を使い果たした。ヘトヘトに疲れ、再びバスに揺られてバンコクへ。深夜アパートに着いた彼女は寝付かれず、旅先から持ち帰ったものでしばらく遊び、ようやく眠りにつく。翌朝、同居人のEmiが冷蔵庫を開けて仰天する。さて、Emiが私にそのことをどう話したか。

「まったく信じられないわ。ダーゴンファイよ!」

「冷蔵庫の中がダーゴンファイで一杯!!」

タイ人の英語は、RとLが消えうせる。ダーゴンファイとは、ドラゴンフライのことだ。同居人のEmiが冷蔵庫の中で見たものは、大量のトンボの死骸だった。さあ、想像力を働かせて!

      冷蔵庫の中がトンボで一杯!!

それは、憧れのカトゥーイの仕業だった。ダーゴンファイは旅先のタイ北部で採集され、バンコクのアパートに持ち帰られた。眠れぬ夜に散々いじくりまわされ、冷蔵庫の中で処刑された。呆れた同居人のEmiが彼女をたたき起こし、何故こんなことをするのかと詰め寄ったが、彼女は一言こう言っただけだった。

「退屈だったのよ。」

場面をレストランに戻そう。さて、Aehに電話する時間だ。