θ=4 β=6

—人より遠く行けまいに—

重力加速度より速く落ちる石の壁を全世界の人々が見た。それが起こるには、押すか引っ張るかしかない。人々は石の壁の下が真空になり、大きな力で下方に引っ張られたと結論できる光景も同時に見ていた。が、その時生じた感情が、見る人をしてその目を欺く。

驚くべき数の人々が、有りもしないものを有ると信じ、その後も次々と有りもしないものが供給され続ける。「無い」と主張する少数の人々はいまだに狂人と呼ばれる。

狂人として言う。「善きものの姿をした盗賊が居る」と。

予感がする。「救世の拳で作られる大勢の奴隷」という。

あなたが人より遠くへ行けないのは、あなたが描いた地図のせいだ。