θ=6 β=4

今年発売予定のソロ新譜のために曲を作っている。Phantom Notesをしばらく更新していなかったので「新曲の仕様と展開図」を全曲完成まで展開してみようか。

出来た順番に書いてゆくが、それがアルバムの曲順ではないことくらいは言わずもがなだ。ところで私は曲を先に作る。歌詞は後だ。それがここ数年のスタイルである。歌詞は全曲できた後、一気に書く。

一曲目は31のトラックが使用されている。おおざっぱに言うと31個の楽器が鳴っていると思ってもらえばいい。大仰な曲の割には少ない。レコーディングの時には更にトラックがバラされ数は増える。長さは5分を超えるヒラサワ風シンフォニーだ。間奏はギターだ。

この曲はソフトのおまけに付いていたシンセサイザーのチェックをしているうちに出来てしまったものだ。とは言っても、そのシンセは1トラックで同じ事をずっと繰り返しているだけ。オケが厚くなればマスキングされてしまう。近頃の音楽界には冷凍食品が豊富にある。つまり調理済みの音源に加え、メーカーが用意したたくさんの演奏済みフレーズを組み合わせればあっという間に音楽が完成するという便利なパッケージだ。プロ用、しかもプロデューサー用とうたうソフトにさえそんなものが満載されている。便利な世の中だ。誰でも30分あれば流行ものの曲なら作れるだろう。チェックするまでもなく、そういうものはヒラサワ風音楽には使えない。しかし、ろくでもなく隅々までお膳立てされた音源をメーカーが望まない方法で使うのもまた楽しい。

シンフォニー風な編成を追って躍り出るのはP-0でも使った僧侶風ヴォーカルエンジンの歌声。コーラスは自分の声を重ねて作ってあるが、プログレによくある風味だ。レコーディングの際にはこのコーラスだけで更に20トラックは増えてしまうだろう。

ほぼ定番のスタイル。プログレ技満載。